NPO団体のニーズとシニアのスキルマッチングを模索する期間が大切 | 「スマートシニア」インターン受入れ団体インタビュー【1】

8 10月

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根気強く仕事内容を達成したシニアインターン

 インターネットの地図情報(Google プレイス)に当団体のネットワーク団体が運営している店舗の情報登録をお願いしました。各店舗の情報をいかに効率よく登録できるか、グーグルプレイスの仕組みを調べてもらうことから始まりました。シニアインターンの普門さんの前職は営業職であり、インターネットサービスの仕組みを説明するのに当初苦戦しました。予定では2 ヵ月で完了する仕事内容でしたが、3ヵ月間を要しました。それでも、人手不足の関係で着手できなかった内容だったので、ゴールが見えたことは非常に大きかったです。プログラム終了後も継続して担当業務のボランティアとして参加いただき、大変助かりました。

 具体的にお願いした仕事内容は、56 店舗の情報(住所や営業時間など)がまとまったデータとしていなかったので、各店舗のホームページや、紙媒体の印刷資料から情報をエクセルシートに落とし込み、データベースを作成してもらいました。エクセルで整理した情報を、Google 既定のフォーマットに落とし込み、確認作業をし、Google に56 店舗のデータベースを一括アップロードしてもらいました。
 シニアインターンの多くは、今回当団体が受け入れた方のようにPC作業に不慣れな方もいらっしゃると思います。PC操作はシニアインターンにも必須スキルでしょう。今回お願いをした内容は文字入力ができれば問題ありませんでした。それでも可能であれば、インターンシップに臨む前に、エクセルを活用して名簿などの「表」の作成ができたり、ワードやパワーポイントに写真を挿入できるPCスキルを習得していると、活躍の幅が広がると思います。

 一方で、シニアの方々は知的欲求が高く、ご自身で調べものをされ解決方法を発見し、実行するのは素晴らしかったです。さらに欲を言えば、インターネット検索をしてご自身の欲しい情報にたどり着くコツを習得してインターンに参加できると望ましいと思います。

フレキシブルな仕事対応が団体へのフィードバックに

 スムーズな受け入れを実現するために、ひとつのプロジェクトをお願いし、コーディネータが不在の際も、シニアインターンが決まった仕事を自ら進んで着手できる体制を整えました。お願いしていた仕事内容のほかにも、団体が主催する講座の準備・当日参加や、会議へオブザーバー参加をしてもらい、団体への理解を深める場を設けていきました。

 人手が必要な大量の発送作業などの事務作業にも、臨機応変に参加をお願いしました。単純作業を人生の先輩にお願いするのは一瞬気が引けてしまいますが、発送物の内容を見てもらうことでも団体への理解、さらに発行物に記載された専門用語や、説明が必要な伝わりづらい言葉など、外からの視点でフィードバックをもらうことのできる良い機会となりました。

 また、当団体のNPO 運営に役立つセミナーに代わりに参加をお願いし、内容を報告してもらうことで、事務局に新しいノウハウや、最新情報を共有してもらうことができました。時間にフレキシブルに対応できるだけでなく、知的欲求が高く、参加したセミナーの要訳を質の高いアウトプットで報告してもらうことができるのは、経験豊かなシニアインターンの特徴だと思います。実際に、NPO 向けの広報・寄付のセミナーにスタッフの代わりに参加してもらい、内容を共有してもらいました。共有してもらえたオンライン広報戦略の内容を、団体内のマネジメント会議において、提案・検討できるきっかけとなりました。

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団体内のインターンと良好な関係を構築する交流の仕掛け

 インターン受入れ時は、学生・社会人インターンと、同じようにシニアインターンが在籍していました。シニアにとって20 代や30 代のインターンは、ちょうど子どもや孫ぐらいの年代になるので、関係性を築きやすかったようです。仕事中や、ランチの時間にお互いの事を話しており、とてもうまくいっていました。一方で、シニア同士はお互い遠慮する傾向が、特に男性同士だとあるように感じました。お互いのバックグラウンドを意識してしまう場合もあるので、ランチの時間をスタッフが同席するなど、お互いが和むことができる工夫が必要です。当団体ではインターン席エリアを設けて、交流を促しました。事務所規模が大きくない団体でも工夫できる効果的な方法の一つではないでしょうか。

 シニアインターンと一緒に仕事をしていく上で心がけておきたいことは、経験豊富であり、これまで仕事において意思決定を多くされてきているので、シニアインターンが、言い切りや断定のニュアンスで、時折否定的な表現をする事に注意が必要です。もちろん団体のためを思っての意見なので、コーディネーターは、シニアインターンの意見を議論の火種にせずに、伝えてくれている内容の趣旨をくみ取り、受け入れる配慮が必要です。

団体のニーズとシニアのスキルマッチングを模索する期間が必要

 インターンシップ受入れスタート時は、まずは数ヵ月の中で完結する仕事内容をお願いすることをお勧めします。事前にシニアインターンの経験やスキルを把握していても、団体の状況を理解してからでないと、シニアの経験を活かした仕事はお願いできないと考えます。最初の1ヵ月~ 2ヵ月はコミュニケーションの機会を設け、お昼御飯を食べながらでも、これまでの経験を伺ったり、仕事への意見のフィードバックをもらったりして感触をつかみました。中には寡黙なシニアの方もいらっしゃるので、メールやFacebook などを活用したオンラインのコミュニケーションも必要です。

 インターン期間中のアイディア出し会議の中で、当団体のターゲットとなる、地域のお母さん方に役立つ「子育て支援マップ」の事例を共有してもらったことがありました。授乳できる地域のお店一覧地図を作成することで、ネットワーク団体が運営する店舗も認知してもらうというアイディアでした。商品のパッケージに関する仕事を前職でされていたので、新しい発想を提供してもらえました。発行物や当団体の広報アドバイザーとしてサポートしてもらえそうです。

 2 ヵ月間のインターンを受け入れたことで、シニアインターンの持っている経験と、当団体のニーズのマッチングが明確に見えてきました。今後は営業職の経験を活かしてもらい、地域のネットワーク団体をサポートするマーケティングを担当業務としてお願いする予定です。

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受入れ団体プロフィール:特定非営利活動法人 WE21ジャパン
■スマートシニア受入れ…平日2回/週

■活動内容:全国の市民から寄付された衣類や雑貨を販売するリユース・リサイクルショップ「WEショップ( 神奈川県内56店舗)」を運営するWE21 地域NPO(36団体)と連携して、その収益から主にアジア地域の人たちが力を高める活動を支援している。また、世界の現状を広く市民に呼びかけ生活を見直すきっかけをつくっている。 http://www.we21japan.org/

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