現場で活かせるソーシャルメディア海外最新事例

2 11月

11月2日(水)の「スマートシニアNPOチャレンジスクール」の第7回研修は、「NPOの現場で活かせるソーシャルメディア活用」をテーマに、市川裕康講師より講義頂きました。

研修テーマ
・ソーシャルメディアを活用した最新海外事例の理解
・NPOの現場でソーシャルメディアを活用する準備


まずは“目的を持ってインターネットを活用することが、いかに社会にインパクトを生むか。”を導入にTEDにアップされているデイブ・デブロンカート氏のプレゼンテーション動画を観賞。



デイブ・デブロンカート氏は、末期がんを告知された時、
オンライン上で患者たちのコミュニティーに参加したことで、主治医も知らなかった治療法についての情報を得、自らの命を救うことができました。この経験を元に、デブロンカート氏は患者同士の交流、患者自身が自分の医療データをきちんと把握することの重要さを説くとともに、e-患者一人ひとりへの医療の改善を求めています。

このデブロンカート氏の動画の観賞後、
・今感じつつある目的は何か。
・誰かと共有したい発見や学びにはどういうものがあるか。
といった講師からの問いかけがなされると、受講生の皆さんそれぞれに今までの人生を振り返りながら、考えを深めていらっしゃいました。

ソーシャルメディアを活用した最新の海外事例

今までに市川さんが執筆された現代ビジネス「ソーシャルビジネス最前線」5つの切り口に沿って、ソーシャルメディアが海外の社会貢献活動においてどのように用いられているかを中心に、多くの事例が紹介されました。

1.アクティビズム

チュニジア、エジプトで始まった「アラブの春」や、ニューヨークのウォール街から世界に広がった「占拠デモ」など、
市民活動や民主化運動におけるソーシャルメディアの与える影響が、近年大きくなっており、新しいアクティビズムのかたちも生まれつつあります。

「占拠デモ」の活動事体、スタート時から既に様々なソーシャルメディア・ツールを活用してコラボレーションを行い、誰もが参加出来る「総会」(General Assembly)というコンセンサスに基づいた全員参加型の直接民主主義の実験のような注目に値するしくみを創りだしつつあります。何百人もが集まる集会でマイクを使わずに発言が皆に聞こえるよう、発言を繰り返す「人力マイク」の様子等は、現場の知恵の集積から生まれ、各地で使用されている特徴的なイノベーションといえます。
引用:現代ビジネス「ソーシャルビジネス最前線」/オープンソース型スタートアップとしての「ウォール街占拠デモ」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/24156 


2.震災対応・ボランティア

東日本大震災は私たちの繋がりに多くの変化をもたらしました。善意、寄付、ボランティア情報収集・配信のあり方が変化するだけでなく、ソーシャルメディアを介することで、新しいマッチングも生まれています。

震災対応で注目の事例は「Sinsai.info」。これはボランティアによる震災情報集約サイトですが、3月11日の東日本大震災発生後4時間足らずで開設されました。被害状況や避難所、安否情報や雇用情報などが、現在までに1万件以上の情報が登録されており、地図上で情報の位置を見ながら閲覧できます。

続いて“マイクロボランティア”のマッチングサイト「Sparked」。サイトには翻訳などのタスクが細切れになって登録されているため、ボランティア希望者は、隙間時間を使って、スキルに応じたタスクに従事することができます。


3.メディア

誰もが自分メディアを持つことが可能になり、変化し続けるメディアとの接し方、活用方法を模索している今、ソーシャルメディアを活用する上で、既存メディアに求められる役割や、求められる個人のメディアリテラシーとは何かを再考する必要があります。ソーシャルメディアニュースサイトにおいて、世界で最も影響力のある「Mashable」を注目してください。フェイスブック、ツイッター、ソーシャルメディア関連スタートアップの速報ニュース等、最先端情報が盛り込まれたオリジナル記事が毎日40本掲載されています。

設立当初はソーシャルメディアのトレンドを一人が綴ったブログでしたが、先進性から人気を博し、その影響力から社会的事象をカバーするまでになりました。今や、同サイトの月間ユニークユーザーは1300万人を超え、毎日約12,000,000回ツイッター上でリツイートされフェイスブック上でも4万5千回「シェア」されています。中東の民主化運動や日本での震災が起こった際の関連情報も掲載され、多くの人の会話の情報源となりつつあります。


4.お金のあり方


今は、共感が得られる商品やサービス、プロジェクトであれば、世界中の不特定多数の個人からウェブを介して資金調達が可能な時代です。例えば、海外セレブとチャリティのマッチングをするサイト「Look to the stars」があります。

「Look to the stars」は、「1700を超えるチャリティ、2600を超えるセレブの一覧が掲載され、どのテーマに誰が支援しているかを閲覧することが可能です。例えばもっとも人気のあるカテゴリーは『子供』に関するもので、ユニセフ等540のチャリティに対し、元米国大統領ビル・クリントン等、約1600人が支援していることが分かります。」
引用:現代ビジネス「ソーシャルビジネス最前線」/広がる海外セレブとチャリティとの関係。専用のマッチングサイト、エージェントも http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11006

5.オープンビジネス
現在では、営利企業においてもオープンさ、透明性、そして社会的視点が組織やビジネスに求められる時代になっています。ペプシコ社の「Funded Ideas」は、地域の社会貢献活動を支援するためのソーシャルメディアを活用したキャンペーンで、それまで出稿を続けていたスーパーボールのテレビCMから撤退した代わりに打ち出した試みです。その試みは大きな話題を呼ぶとともに、当初見込みの20億円を上回る40億円の広告効果が得られるインパクトを持つものとなりました。


6.個人>組織

組織に属さないノマド・ワーカー、共有により広がるシェア経済、人との関わり方の進化としてのコワーキングスペースなど、経営・働き方において、近年では様々な潮流が生じています。「New work city」「The Hub」などのコワーキングスペースは、シェアオフィスやレンタルオフィスとは異なり、実務を行う場所が個室ではなく、図書館のようなオープンスペースとなっています。各個人が独立して働きながら、相互にアイデアや情報を交換し、オフィス環境を共有することで生まれる相乗効果を目指しています。

NPOの現場でソーシャルメディアを活用する準備

非営利組織のソーシャルメディア活用の知識を深め、現場対応力を蓄える情報源として、以下のサイトが紹介されました。

Socialbrite.org
http://www.socialbrite.org/
非営利組織のソーシャルメディア活用を支援するための、海外の専門家によるノウハウ紹介サイト


Nonprofit Tech 2.0
http://nonprofitorgs.wordpress.com/
非営利組織向けに、ソーシャルメディアの活用事例を紹介したブログ


Beth’s Blog(Beth Kanter)
http://beth.typepad.com/
30年以上、非営利セクターにおいてテクノロジー、人材教育、能力構築、
ファンドレージング等に従事する著者によるソーシャルメディアの活用法を紹介するブログ

最後に、オンライン上でメールを確認できる利便性を体感するため、Gmailアカウントを開設。また情報収集ツールの一つとしてGoogle Alertの機能を理解・各個人導入。インターンでの「ソーシャルメディア運用サポーター」として日常的に情報収集できる環境を整えました。

豊富に盛り込まれた最新の海外事例に刺激を受けて、皆さん熱心に最後まで聞き入っていました。本日もお疲れさまでした。

(NPOサポートセンター インターン浅水智成

◆講師:市川裕康
(株式会社ソーシャルカンパニー 代表取締役 / ソーシャルメディアコンサルタント)
http://www.socialcompany.org
1970年浜松生まれ。1994年同志社大学法学部政治学科卒業。1996年同志社新島奨学生としてアマースト大学(政治学専攻)を卒業。NGO団体、出版社、人材関連企業等を経て2010年3月に独立、株式会社ソーシャルカンパニーを設立。またネットスクエアード東京代表も務める。ソーシャルメディア・コンサルタントとして、ツイッター、フェイスブック等を活用したビジネス・コンサルティング、非営利団体や企業のCSR / 社会貢献活動の推進・支援に強みを行っている。特に海外のソーシャルメディア動向についての調査・分析、セミナー、メディアトレーニングに実績・強みを持つ。「社会起業家的な新しい働き方のスタイル」をテーマにしたメールマガジン『ソシアレ』を2005年より発行。2010年7月から講談社「現代ビジネス」において「ソーシャルビジネス最前線」と題して記事を寄稿し、ソーシャルメディアを活用したビジネス、社会貢献活動、行政サービス等、幅広いテーマでレポートしている。翻訳出版物:『魂を売らずに成功する~伝説のビジネス誌編集長が選んだ飛躍のルール52』(2002年2月 英治出版社)

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