5つの団体から聞くNPOの経営レポート

14 10月

10月14日(金)、「スマートシニアNPOチャレンジスクール」の第3回研修は、「NPOの組織運営 / 経営」をテーマに、NPO5団体の代表 / 事務局長をお招きして、現場の声を伺うヒアリングを実施。

これまでの研修において、NPOの運営や資金の仕組みについて、NPO業界の全体観学びました。さらに今回の講義では、活動分野や規模、資金運営面でそれぞれに異なるNPOより、個別具体的な事例を伺い、また質疑を通して、これまでのNPO理解を目指した研修内容を更に深めることができました。

「NPOの組織運営 / 経営の現場ヒアリング」講演団体
自立支援センターむく http://www9.plala.or.jp/jmuku/
ICYE JAPAN http://www.icye-japan.com/
CFFジャパン   http://www.cffjapan.org/
ファミリーハウス http://www.familyhouse.or.jp/
NPO birth   http://www.npo-birth.org/

連続事業家が障がい者就労支援に多角的に取組む

講師:自立支援センターむく 理事長 木村利信
http://www9.plala.or.jp/jmuku/

特定非営利活動法人自立支援センターむくは、3障害(知的、身体、精神)といわれる全ての障がい者が、地域で自立した生活をするために、広く社会福祉に寄与することを目的として自立生活支援に関する事業を行っています。
自立支援センターむくでは、重度身体障がい者グループホームや地域活動支援センターを運営するほか、精神障がい者の就労支援・職業訓練施設の「PC工房」も運営しています。PC工房では、コンピューターの整備・組み立て等の修理技術を通じて、PC操作のスキルアップやWeb管理なども習得できます。

約3億円の年間事業予算を支えている事務局体制は、有給の職員(常勤・非常勤・講師)が約100名在籍しており、うち約半数が週4日の常勤職員で構成されています。また、職員以外ではボランティアを数名で運営しています。グループホームや地域活動支援センターのほか、PC工房、児童デイサービス、各種施設内売店などを多角的に運営します。
今後の展開については、新たに墨田区内にて就労移行支援と生活支援事業の委託事業を開始する予定で、一層、職員同士のコミュニケーションを重視し事業展開していかれるとのことです。


若き事務局長が経営する事業型NPO

講師:ICYE JAPAN 事務局長 宇梶朋子
http://www.icye-japan.com/

ICYE JAPANは、「異文化習得経験の場を提供し、青少年の社会性と自主性を高めることに努める」をミッションに、1959年からヨーロッパ・アジア太平洋・アフリカ・中南米で海外ボランティア事業を展開しているNPOです。全世界で国際協力を目指す毎年500~600人の若者が、ICYE JAPANを通じて活躍しています。
海外ボランティア事業のプログラムの特徴として、現地ボランティアに携わる前に、出発前の研修オリエンテーションで相談対応を行っているほか、帰国後に報告会を開催するなど、多くの人との交流を重ねることで、参加者はネットワークを広げることができます。

参加費用については、希望者が選択する滞在先・期間に従って設定されています。例えば、滞在期間半年の場合は59万~95万。現地生活費、ボランティアにかかる費用、語学研修費などを含まれています。
ICYE JAPANは、海外ボランティアの事業収入が資金源の中核となっているほか、海外在住青年の国内招聘事業や、日本に在住する青年海外派遣事業などからも収入を得ている事業型NPOです

組織の人員構成は、役員8名、スタッフ30名(うち専従スタッフ2名、インターン3名)が在籍しています。常勤のスタッフの人数が限られているため、一人で何役も仕事こなすことが求められますが、今後も人数規模を維持するかたちで、50年以上続いている団体の実績を更に積み上げていくとのことです。

資金(寄付)調達を成功させるボランティアマネジメント

講師:CFFジャパン 事務局長 渡辺正幸
http://www.cffjapan.org/

CFFジャパンは、より豊かな未来のための基盤を創ることを目指し、①世界・社会の末端に立たされ、厳しい立場に置かれた子どもたちの支援 ②将来の世界・社会を担っていく次世代=青少年の育成 を行っています。

現在、フィリピンとマレーシアの現地法人と協働し、ワークキャンプやスタディツアーを通して、児童養護施設「子どもの家」の建設や支援を行っています。これまでに2000人以上の日本人青年ボランティア・スタディーツアー参加者を現地に派遣。またフィリピンにおいては児童養護施設を開所し、子どもたちを支援しています。

CFFの運営は専従職員2名、非専従職員2名で、役員数は理事13名、監事1名となり、専従職員の人数が限られているため、ボランティアに積極的に関わってもらっています。例えばパンフレットの塗り絵の表紙イラストづくりを協力してもらうなど、広報活動をはじめ、さまざまな活動にボランティアが携わっています。

これまで団体の大きな課題として、専従スタッフなどのリソース面の不足から、CFFマレーシアの「子供の家」に対する支援体制が整っていませんでした。2010年から団体内にマーケティング戦略を導入し、中高年世代の寄付支援者や青年活動メンバー等で構成された支援体制の構築をはかりました。今年の6月から7月にかけて実施した寄付キャンペーンでは、寄付総額が目標額を上回るなど、課題解決に向けて、着実に実績を積み重ねています。
◆参考ウェブサイト:http://sin-masaki.com/cff.html(“Thank you”プロジェクト)

ニーズの高いサービスの満足度を徹底的に追求する

講師:ファミリーハウス 理事・事務局長 植田洋子
http://www.familyhouse.or.jp/

ファミリーハウスは、小児がん等の難病で通院ないし入院治療を受ける子どもたち及びその家族を支援することを目的として設立され、宿泊施設の運営と相談事業を行っています。
1992年1月に、日本初の小児患者の付き添い家族のための本格的な滞在施設「かんがるーの家(調布市)」の開設を皮切りに、2010年以降に「ひまわりのおうち」、「うさぎさんのおうち」が加わり、現在都内で11施設のハウスを運営しています。

全国的にハウスが増加傾向にあり、ハウス運営の質が問われていますが、「ファミリーハウス」においても、以前はハウスマネージャーの対応のばらつきにより、利用者の満足度もばらつきがありました。
そのため、これまでのハウス運営の実践内容に基いて、マニュアルをブラッシュアップを徹底的に実施し、利用者の多様なニーズに対して、より迅速な対応が可能になりました。今後もこうした改善を繰り返し、一定の「質」の保たれたハウスの水平展開を目指しています。

7,000人のボランティアを活かす“緑の中間支援団体”

講師:NPO birth 事務局長 佐藤留美
http://www.npo-birth.org/

NPO birthは、人と自然が共生できる社会の実現を目指し、身近な自然やみどりをテーマに活動するNPO法人です。
自然教育や自然解説、ボランティア・コーディネート、レンジャーなどの実践的な活動と、 市民団体のサポートや企業 CSR 支援などの“緑の中間支援”が活動の中核となっています。2006年からは個々のノウハウを結集し、都市公園や自然公園において15の指定管理事業を展開しています。

現在スタッフは若い世代を中心に19人で構成され、特に広大かつ複数の公園緑地の管理運営業務に参加するボランティアのマネージメントにおいては、コーディネータをはじめとした協力体制の構築が不可欠です。NPO birthのミッションに共感するボランティアは、老若男女を問わず、多世代にわたっており、その参加人数も年間7000人を数えます


(NPOサポートセンター インターン浅水智成

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